ASAMA ROD・8フィート#4/5,2Pディファレントティップ仕様のプロトタイプロッドが手元にあります。
北海道は函館の職人さん朝間紀之さんの手によるバンブーロッドです。 このASAMAロッド、完全中空です、つまりダムがない構造になっています。 中空ロッドはソリッドのロッドと比較すると、当然軽くなり、トップセクションも中空にすることで ロッドの返りが早くなり軽快に仕上げることができるそうです、 当然ロッド全体を中空にすればかなり軽いバンブーロッドになるはずです。 中空のバンブーロッドとして有名なのがパウェル、ウィンストン、ブランディン、ウジニッキでしょうか、 でも彼らのロッドは内側に軽量な材を入れたりダムを作ったりして中空ではありますが、 完全な中空ではありません、何故でしょう、 スプリットバンブーロッドは竹を張り合わせて作っているのでその竹同士の接着面積を確保するため、 またロッドの曲がる時のたわみにによるシャフトの潰れを軽減したり、破裂 を防ぐためだったり、理由はあると思います。 でも、グラスロッド、カーボンロッド、はどうでしょう、ブランクの中は空っぽです。 もちろん素材による構造の違いはあると思います。 朝間さんの中空ロッドの発想はトンキン竹のの表面の密で強い繊維を素材として考え、 その素材をプレートとして、グラスやカーボンと同じように空洞のシャフトを作るという、 発想の転換からきているようです。 グラスやカーボンはブランクの厚みや太さでアクションを調整しますから、 バンブーロッドもテーパーやバンブーファイバーの肉厚の調整でダム無しの中空ロッドが成立するはず ってことです。 グラスやカーボンのロッドはマンドレルに巻きつけてブランクを作ります・・・ そういえばヘキサグラフというカーボンロッドがありましたね。 カーボンプレートを六面合わせてバンブーロッドのアクションをカーボン繊維で作り出したロッド、 ただこのヘキサグラフロッドは中空ではなく、コアに軽量な別の材質が使われてていましたが・・・ パウェルのセミホローと似てますね、ヘキサグラフはパウェルのロッドでもありましたから。 朝間さんの中空バンブーロッドは薄い平らなプレートを六面で接着することになります。 近年接着剤はかなり強くなっているようですが、接着剤への信頼と、 薄く削った竹のプレートを六面正確に接着する技がないと困難な仕事ですね。 そのあたりの制作工程は朝間さんのブログをご覧ください。 使ってみるまで不安を感じていました。 完全中空だとロッドを強く曲げた時のたわみで破裂するのではないか。 パワーがかなりスポイルされてしまうのではないか・・・ ところがロッドを手にしてみると軽く、 素振りしてみてもバットに張りがあり、ナンダ~いけるじゃないか! 8ftロッドですから小渓流というより、開けた広めの川での使用が前提で、 そこそこラインを出してのトラウトの釣りが楽しそうですね。 今回のロッドはバットセクションも二本用意されています、 スローでストレートなテーパーのものと、グリップの中はテーパーのないコンパウンドテーパーのバット、 もちろんフェルールサイズは同一、 細めのティップはフェルールの上のテーパーが絞ってあって、近距離で使いやすいように、 もう一方のティップは太めで、コンパウンドテーパーのバットセクションに継ぐと加重がグリップまで入ってくるのが良く分かります。 ラインを入れてキャストしてみるとその傾向は更に顕著になります。 ロングキャストでパワーをかけると、ググッとグリップにロッドの曲がりが感じられ、 ロッドのバットが曲がってラインを送り出す感触が良く感じられます、 ロッドの断面がつぶれる感触なのでしょうか、 そして出て行くラインはスラックのない真っ直ぐなライン、 オモロ~! 今までに体験したことのない感触、まさにロッドがラインを投げている感触が・・・ パワーを使いきれるライトウェイトスポーツカー・・・かしら。 潔く贅肉を切り捨てたことで生まれる感触でしょうか。 通常ロッドのバットセクションは強めに設定されていますので、ビギナーには強すぎて曲げきれない ようなロッドもあるように思いますが、・・・ たまたま一ヶ月ほど前に初めてのバンブーロッドを購入した友人が現れたので使ってもらいました、 「軽くてカーボンロッドのよう?、 投げ易くてループも綺麗に出せて、ターンも良い!」 欲しいとは言いませんでしたが、好感触のようです。 先週、今週と計6時間ほど使用させていただきました。 使ったラインはDT3、WF3、DT4、WF4、DT5、WF5、TTWF5/6ST(シンクティップ)、DT6、TTWF6LB(ロングベリー)、 無理を承知でCND・GPS4/5も使ってみました。 ライトティップはDT3、WF3 、DT4 、WF4、TTWF5/6ST ヘビーティップはDT3 、DT4、WF4 、WF5、TTWF5/6ST あたりが良好でした、DT3が以外に良い感じです。 DT6はショートからミドルレンジまでは良いのですが・・・ TTWF6LBもチョット重い感じでした。 あくまで止水での使用なのでキャスティング重視になりましたが、 5m~20m+ あたりはどのラインも気持ちよく使えます、もちろん軽い番手は軽快な使いごこちです。 川で使用するとまた違った側面が見えてくるかと思います。 ソリッドに比較するとマキシマムパワーは落ちるかもしれません、 それでもDT4,WF4,WF5でのフルラインキャストは可能です。 また折れるかな~と思いつつ(笑)スペイラインCND・GPS4/5をスペイキャストで使ってみました、 ロッドが負け気味ではありますがフルラインを投げきりました。 特化したロッドとしてテーパーやバンブーの肉厚(インナーテーパー)を部分的に調整したりすると独特の ロッドに成り得る可能性を感じます。 もちろん、現状でもかなりシャープで切れ味の良い、完成度の高いバンブーロッドだと思います。 このロッドのもう一つの特徴がバンブーフェルール。 通常バンブーロッドにはニッケルシルバーの金属フェルールが使われています、 その金属の質感が何気にバンブーロッドの高級感を醸し出しているのかもしれません。 ただ金属フェルールは、バンブーブランクと曲がらない金属フェルールの接合部へのストレスがあります、 ロッドは操作中は常に曲がっているわけでその曲がる素材の中に曲がらない金属が入ると その接合部にはストレスが生じます、 フェルールからブランクが抜けたり、フェルールとの接合部で折れたりすることが稀に起こるわけです。 また金属の重さがデッドウェイトとなって、ライトアクションのデリケートなロッドにはアクションを 作り出す上での影響もあるようです。 バンブーフェルールはフェルール自体が同じ素材で軽量なのでそのあたりのストレスからは開放されます。 六角のままのバンブーフェルールです、 このタイプのフェルールはデンマークのバンブーロッドビルダー、ビヤーネ・フリース氏が中村羽舟氏の 竹フェルールに触発されて考案したFIBHの形態ですが、 朝間さんなりに肉厚、テーパー等は工夫されているようです。 ティップセクションをスウェルにしてその内側へ六角のバットセクションを差し込むので、 フェルールでティップセクションのブランクが緩んで回転することがありません。 でも強度は?、 研究心旺盛で頑固な職人さんはこのフェルールの破壊実験をしています。 ロッドを無理やり曲げて折っています。 折れたのはフェルールではなくブランク! フェルール部は強いトンキンの繊維が二重に、12面が合わさっているのですから強いですね! あえて言うなら、フェルールの厚み分の段差ができるので、見た目上、嗜好の分かれるところでしょうか。 私は最近バンブースペイロッドのジョイントにこだわり、スプライスジョイントのバンブーロッドを使っっています。 スプライスジョイントはシンプルで斜めにカットされた接合部をテープで巻き止めて接合するのですが、 キャスティング時に接合部自体が曲がり綺麗なべンディングカーブを描きます。 このバンブーフェルール、スペイロッドに向いているのでは、 スネークロールやスナップキャストで各方向からロッドへの付加が大きくかかるスペイキャストには回転しない フェルールはベストです、抜けないための若干のテーピングは必要でしょうが、 金属フェルールのストレスからも開放されるのであればなおのこと・・・ バンブースペイロッドで試してみたい欲望が湧きあっがってきます。 朝間さん、結構酷使しましたが破裂しませんでした(笑)、強度ありますよ!
by B-R-Bros
| 2009-03-17 00:02
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